井上が語る開発秘話

ダブルクレンジングゲルが生まれた理由

極度の敏感肌・乾燥肌

肌が突っ張る、その後、白い粉のようなものが吹き出てくる、最後は、赤くなってかゆくなる

これは、すべて私自身のことです。私は極度の敏感肌で、通常の洗顔料を使うと、このような悲惨な状況になります。

散髪屋さんに行って、顔そりなんかしてもらうと、あごの辺りから必ず血が出てきます。事前に「ひげをそる時には注意してください」と、言っているにもかかわらずです。その後、2～3日ヒリヒリが続きます。散髪屋さんが、ヘタクソなわけではありません。どうやら私の肌が弱いだけでなく、肌の厚みが薄いらしいのです。

物心ついたときから、ずっとこの敏感肌に悩まされてきました。男なので、「敏感肌で悩むなんて、かっこ悪い」と思い、見て見ぬ振りをしてきました。もちろん、スキンケアなんかしたことありませんでした。

でも、紆余曲折を経て、化粧品に携わる仕事をすることになりました。そして、私と同じ悩みを抱えている方(極度の敏感肌)から多くの相談を受けました。

「しっかりと洗顔・メイク落としができて、刺激の少ない洗顔料が欲しい」これが、私を含める極度の敏感肌の方からの願いでした。

世の中になければ、自分で作る

アクアテクトゲルの時に、感じた気持ちがムクムクと起き上がってきました。そこで、洗顔料について勉強をするとともに、いろいろな洗顔料を取り寄せてテストを重ねました。

その中で一つの結論にたどり着きました。

「敏感肌の方は、できるだけ肌に刺激を与えないようにしなければならない」

こう書くと、当たり前すぎるほど当たり前です。

でも、私たちは肌への刺激について、分かっているようで、意外に分かっていません。お恥ずかしい話ですが、私自身、敏感肌に悩んでいたにもかかわらず、あまり気にしませんでした。

実は、洗顔そのものが刺激になる

例えば、洗顔方法もそうです。

それまで、私はゴシゴシと顔を洗っていました。肌がキュッキュッとするぐらい洗うことが、正しいと思っていました。

でも、顔をこすると少なからず、摩擦が起きます。摩擦は、肌への刺激になります。

特に私のように敏感肌でありながら、肌が薄い方にとって、摩擦は大敵です。顔をポリポリかくことも、敏感肌にとっては刺激になります。そして、この刺激が積み重なって肌トラブルを引き起こします。

刺激する回数を減らすには？

だから、私は、肌に刺激を与える機会を減らせないかと考えました。

女性にとって、洗顔と言うのは2つの目的があります。

まず、メイクを落とすこと。次に、汚れを落とすこと。メイク落としと洗顔料を使って、最低2回、顔を洗う必要があります。言い方を変えれば、必ず2度、刺激を与えてしまいます。

そこで私は、「洗顔とメイク落としを一度にすますことができないか?」と、考えました。そうすれば、洗顔をするときの刺激が半分になるのでは?という単純な発想です。

【たくさんの種類の洗顔料を使うこと】と【肌の汚れ、皮脂やメイクの汚れがしっかりと落ちる】ことは別問題です。

ここでも、メイク落としと洗顔料が分かれていることに、疑問を持ちました。また、私自身があれもこれも使うのは面倒くさいので、その方が便利だと感じました。

洗浄力による刺激を減らすには？

次に、「洗浄力は必要以上に強くしないけど、メイクはしっかりと落とせることはできないか?」と考えました。

と言うのも、洗浄力が強すぎると、本来、肌を外界の刺激から守ってくれる皮脂までも落とすことになります。これは、肌にとって悪影響を及ぼします。

確かに、強い洗浄力だとすっきりして気持ちいいように感じますが、肌にとっては無防備な状態になるのです。無防備な状態は、外界からの刺激に弱くなり、その結果、肌トラブルを引き起こします。

だから、洗浄力は、あくまでも肌についた汚れや余分な皮脂を洗い流す程度にすることを決めました。

メイクに関しては、しっかりと落とせる機能を持たせることにしました。

と言いますのも、メイクというのは、肌にとって異物以外の何者でもありません。肌にのせたくないものです。だから、本当はメイクをしない方が肌にはいいのです。

でも、男性ならともかく、女性はそういうわけには行きませんよね。特に外出する際は、紫外線から肌を守るという意味でも必要です。だから、帰宅後はすぐにしっかりとメイクを落とすことが必要になってきます。

また、メイクを落とす力が弱いとゴシゴシをこすってしまいます。すると、摩擦が起きて、肌に刺激を与えてしまいます。だから、しっかりとメイクを落せるようにすることに決めました。

こうして、私の洗顔料作りが始まりました

処方そのものは、そんなに難しいことではありません。できるだけ刺激の少ない洗顔料の原料と、メイク落としの原料を選び出しそれを安定して維持すればいいのです。

ただ、原料を選ぶためにひたすらテストを繰り返す必要がありました。刺激の少ない原料で処方を組み、その後、実際に私が試す。

それで、ヒリヒリしたり、赤くなったりと刺激を感じれば、やり直し。刺激を感じなければ、今度はメイクをしている女性スタッフに試してもらう。書くのは簡単ですが、実際は大変でした。

まず、「私が刺激を感じない」というハードルが、予想以上に高かったのです。原料には刺激が少ないものでも、私が使うとヒリヒリします。本当に、「自分は敏感肌じゃなくて、何かの病気なんじゃないか？？」と、何度も思いました。

何十回と試して、私の肌でも刺激を感じない試作品が、ようやくできました。大喜びしてスタッフに試してもらうと、なんと、メイクが落ちません!ほんと、世の中は厳しいです・・・。

完成！ダブルクレンジングゲル

でも、諦めずにコツコツと工夫をしながらやり続けていれば、いずれゴールにたどり着くものです。

実験を延々と繰り返した結果、やっと洗浄力とメイクを落とす力のバランスが取れた『ダブルクレンジングゲル』が生まれました。

私の肌でも、まったく刺激を感じません。ウォータープルーフのメイクでもしっかりと落とすことができます。

もちろん、私自身も毎日、愛用しています。おかげであのヒリヒリや赤くなることも、かゆくなることも無くなりました。たまに、出張に行って忘れると、ホテルの備え付けの洗顔料を使う羽目になりヒリヒリ感を味わうこともありますが・・・。本当に満足できる商品を作ることができました。

だから、もし、あなたが敏感肌で、

• 肌が突っ張る
• その後、白い粉のようなものが吹き出てくる
• 最後は、赤くなってかゆくなる
• さらに、同時に、しっかりとメイクも落としたい

という場合は、ぜひご利用ください。

あなたのキレイ肌作りのお役に立てることを願っております。

株式会社アースケア　井上龍弥